あらすじ

在日韓国人の杉原は自分の通う朝鮮学校の仲間達と日々悪さしながらその日暮らしをしていた。
学力がない自分が持っているものといえば、幼い頃から父親から教わったボクシングと独特の世界観。
杉原は自分のアイデンティティーに悩みながらも、別の世界を知りたいと熱望し、日本の高校への進学を決意する。
日本の高校に進学した杉原を待っていたのは、朝鮮学校時代とは別の生活だった。
部活、在日への差別、そしてこれまでまともにしてこなかった恋愛…。
新しいライフスタイルを手に入れた後も、悩み、もがきながらも青春を生き抜く1人の少年の人間ドラマ。
みどころ&感想

「広い世界を見ろ。そして、自分で決めろ。」
「今お前の拳の引いた円の大きさが、だいたいお前っていう人間の大きさだ。その円の真ん中にいすわって、手の届く範囲のものにだけ手を伸ばしてりゃ、お前は傷つかずに生きていける。そういう生き方どう思う?」
映画の中のこの2つが僕のお気に入りのセリフです。
人間生きていればいろんな壁にぶち当たってなんぼなのですが、主人公の杉原の場合は、自分の国籍のせいで差別や偏見を受ける問題を常に受けています。
そんな生活の中で、父親から言われる上記のようなセリフが、杉原を問題と向き合うための支えになっていたと僕は思います。
一番心が痛かったのは、恋人の椿とのベットシーンで杉原は椿に自分が在日韓国人だという事を打ち明けたシーンですね。
勇気を持って打ち明けた杉原ですが、椿からは拒否をされてしまいます。
理由は、椿の父親からの韓国人に対する差別的な考え方を教えられていたせいでした。
杉原も自分の父親の教えを自分の中に浸透させ、椿もまた、自分の父親の考え方を自分の中に入れてしまっていたというわけです。
それだけ、幼い頃の親からの「教え」というのは強烈に人の中に残るんだなって考えさせられました。
国籍や恋愛、将来の進路などを悩みながら日常を生きている若者を独特に描いた映画です。
僕はこの映画をもう何度も見ていますが、何度も見ていて、内容もわかっているはずなのに、毎回自由な思考や思想の大切さを教えられるので、いつも楽しく見させてもらっています。
読んでいただきありがとうございました。
心に笑顔と栄養がいきわたりますように。
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