前回、下記の2つの記事で黒い太陽シリーズの1と2を紹介しました↓
そして今回が第3作目、黒い太陽の最終章になる「帝王星」のお話です。
あらすじ
新堂冬樹の夜の世界でのし上がる主人公を描いた小説の最終章。
前作の女王蘭での優姫を交えての激闘からしばらく…
立花から苦い汁を飲まされ続けていた藤堂だったが、このまま終わる男ではなかった。
自分の持ってる多額の資産を使って、全国のキャバクラの店舗を回り、それぞれの店からトップクラスのキャストを引き抜き、歌舞伎町に戻ってきた。
そう、今度こそ立花との決着をつける為に…
しかし、そんな藤堂が潰そうとしている立花はもはや昔の野良犬の頃の立花ではなかった。
タチバナカンパニーという会社のトップでありながら、全国規模で複数のキャバクラを持つほどの敏腕経営者になっていた。
そんな中、藤堂は自分の店を構え、現在は経営者となっている元伝説のキャスト冬美の店から、他のキャストには類を見ないほどの才能を持つ天才キャスト、ゆりなを引き抜き、立花との最後の闘いに挑むが…
読んでみて感じたレビュー
ここが残念!!
読んでみて僕としてちょっと残念だったところは、藤堂が後半、美化されていたというか…
いい人になっていくシーンがたくさんあります。
藤堂といえば、狡猾で頭が切れる、都合のいい人材は利用し、汚い手を使ってでも気に入らない相手は容赦なく蹴落とす。
徹底した悪人キャラだったのですが、それがいい人になってしまうとなると、逆にイメージダウンですね。
作者の新堂さんはどういう意図があってそういう設定にしたのかはよくわかりませんが、僕としては藤堂は最後の最後まで、悪人を貫いて欲しかったです…。

頭の切れるカリスマ的な悪人キャラが藤堂の魅力だと思うので。
終わり方も黒い…

まぁ前回の女王蘭もそうでしたが、今回もハッピーエンドな終わり方はしないので、そういうのを期待する人は読まない方がいいですね。
まぁある意味、黒い太陽らしい終わり方でした。
今回出てくる天才キャストゆりなはあまりに天才すぎてちょっと現実離れしすぎたキャラだったかな~w
ただ、藤堂が各店舗から引き抜いてきたトップキャストと、立花の店のナンバーワンキャストが皮肉を言い合う激しいバトルシーンが前半あるんですが、そこは結構面白かったです。
例えば、「枕営業してるんでしょう?」みたいな事言われれば、
「そうね、でもあなたのそのルックスじゃ枕は無理ね。」
みたいに、言われる事は否定はしないが、それを使って相手をディするというようなある種の会話テクニックですね。
頭の回転が早くないと、そういう切り返しはできないなという舌戦がたくさん繰り広げられてました。
僕もあれくらい口げんかが強くなりたいw
まぁキャバクラを題材にした話って結構世の中にあふれかえっていますが、キャバ嬢たちだけじゃなくて、
キャバクラ経営者目線の話はそこまで多くないと思うので、そういう意味でも、多角的な読み方ができて面白いシリーズでした。
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