京都認知症母殺害心中未遂事件について介護職を経験した僕が思う事

皆さんはこの事件をご存知でしょうか?

京都認知症母殺害心中未遂事件に関する映像はこちらです↓

一言でまとめると、京都で起きた認知症のお母さんを殺してしまった息子さんの事件です。

最近では認知症の身内への虐待だったり、殺してしまうというのはよく耳にするニュースではあります。

しかし、僕はこの事件の事を知った時、すごく胸が痛くなり、目の奥が熱くなりました。

が、それと同時に介護職に勤めている経験上、冷静な目で見ている自分もいた事は事実です。

ですので、今回は介護職の経験がある僕が仕事をしているからこそ感じた、

独自の2つの視点をお話したいと思います。

自分の感情と心のみでこの事件を見た僕の視点

僕個人の気持ちとしては、温情のある判決でよかったと思っています。

僕は重度の認知症のあった祖母を実家で預かった経験があるのですが、

仕事の休憩時間に携帯を確認すると、徘徊していた祖母を保護した警察から留守電と着信がほぼ毎日ありました。

僕の家は幸い母がいたので、僕が仕事で行けない時は毎回母が警察署まで行って祖母を引き取ってました。

なので、身近に誰も頼る人がいない中で、仕事をしながらお母さんの介護をするってすごく大変な事だろうなと

容易に想像がつきます。

よく考えれば他の手もあったかもしれませんが、深く悩んでる時ってそういう冷静な判断ってとれないんですよ。

もしくは、こんな事になるなら思い切って誰かに相談すればよかったのでは?という声もあるかもしれませんが、

なんて言うんでしょうね…これは僕個人のみの見解かもしれませんが、日本に住んでいると、

人に迷惑をかけてはいけないと口を酸っぱくして言ってる人をよく見かけます。

こうした考え方の習慣からか、人に頼るのが難しいという人も多いと思うんですよね。

でもこれは他の人だけでなくて、僕もそうです。なのでそう言う人の気持ちもわかります。

まぁ厳密に言えば、この片桐被告は役所には相談をしているので、この人なりに考えて

行動はとっています。

結果はたしかによくなかったかもしれない。

しかし、介護の技術や知識が乏しい中での片桐被告のこれまでの努力を思うと、

執行猶予付きの判決はある意味妥当だったのではないかと僕は思います。

職業柄、冷静な理性から見た僕の視点

僕は温情ある判決に満足はしているものの同時にこの事件の事を真剣に考えていて1つの懸念が出てきました。

それは、

ティー
理由を後付けした殺人や虐待が横行しまうのではないか?

例えば、本当は介護が嫌になって勢い余って殺してしまっても、介護の為に経済的に生活が苦しくなり、やむを得ず殺した等。

というような懸念です。

徹底的に調べれば事実はわかるのだろうけど、問題は殺人の事実云々よりも、

殺人が起きないようにする事の方が大事なんです。

僕の素直な気持ちと叫び

介護疲れで起こる事件は本当に悲しい。なぜなら、

自分の愛する人を手にかけてしまう結果を招くから。

たとえそれが、不本意であったとしても…

周りにもし家族の介護をしているという人がいたら声をかけてあげて気遣って欲しい。

あなたが何もできなくても、あなたの周りに介護に詳しい人がいる可能性だってある。

介護に詳しい行政に一緒に話しをききにいくこともできる。

もしかしたら、あなたの友人や大切な人はご家族の介護で疲れているかもしれない。

周りに相談したり、助けを求めたりはできなかったのか?いう声をあげる前に一度考えてみて欲しい。

介護に限らず人に相談する勇気が出ないことってないでしょうか?

僕はたくさんありました。例えば、自分が持ってるパニック障害や、母親からの虐待や宗教の事など。

でも、もし僕の友人や大切な人が自分の愛する人をその手にかけて捕まってしまうような事があったら、

僕はきっと後悔すると思います。なぜ僕は気づかなかったんだ…話してくれればよかったのに…と。

これからの高齢化社会を世の中で手を取り合って理解していく為にも、

まずは身近な僕たちが少しずつでも寄り添っていく必要があると思う。

悩んでいる人はまずは話す「勇気」を。

勇気のある話をされた人は快く受け取る「寛容さ」を。

以上、僕の一方的な叫びにはなりましたが、皆さんの心に響くことを願ってます。

ありがとうございました。

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1987年生まれ。病み系、出会い系が得意なクリエイティブライター&社会不適合者。
フリーター歴10年、サラリーマン1年半といったところ。
幼少期に母親から虐待を受けたり、アメリカ留学したり、出会い系の会社に勤めたりと色々とまとまりのない経験多数。
パニック障害や自律神経失調症といった心の病と現在も共存中。
スイーツと映画をこよなく愛している。
もう自分自身を殺して生きる事に疲れ果て、ありのままの自分を表現する為に、当ブログ「Tough Life(タフライフ)」を運営中。
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