「お客様第一主義」
「お客様は神様」
これらの言葉をきいた事がよくあると思います。
お客様をとても大切にするという考え方はとても素晴らしいと思いますし、僕もそれ自体を否定するつもりは毛頭ないです。
しかし、お客様第一主義の考え方が介護施設運営ではとても危険になる可能性があります。
もっと言えば、その考え方が強い施設はブラック化する恐れがあるという意味です。

と疑問になる方への僕からの結論は、

1.何でもかんでも人員の状況や能力のバランスを考えずに仕事を受ける。

現在、介護施設はほとんど人手不足です。
そして人手が足りていたとしても能力にばらつきがあり、スタッフによってはこの利用者さんは見れるけれども、あの利用者さんはうまく扱えないという事も起こっています。
もちろん、サービス業である以上、お客さんからしたら、

というお怒りの言葉が飛んできそうですが…。
もちろん、僕も1人1人がある程度の仕事のクオリティを保つのは大切だと思います。
けど、介護に限らず、多くの店舗や会社でも人によっての能力のばらつきってあると思います。
あるいは、学校の勉強でもそうです。
本人達のやる気の問題もあるでしょうけど、どんなに僕達が声を大きくして伝えてもこういう事態は起こってしまうのでいたしかたありません。
そんな状態の中で、仕事をあれもこれも受け入れてしまうとスタッフへのしわ寄せが半端ないです。
例えば、扱いが難しい高齢者を入れてしまうと介護士がきつかったりします。
ましてや、ある程度自立している高齢者が入ってるはずの施設に重度の方が何人もいると転職で他の施設から来た介護士からはビックリされます。
または、利用者さんのお世話以外の雑務が増えたりとかですね(そりゃ定時で帰れなくなるわ…)
人員やスタッフそれぞれの能力が足りていれば別ですが、そうでなければ物理的に厳しいです。
施設内でのバランスを考えて、仕事を受けるイエスノーをハッキリできない施設はどんどん働くのがきつくなっていきます。
2.きつい職場では離職率が増える。

お客様第一主義で何でもかんでも仕事を増やしてしまう施設では離職率がとても多いです。
そりゃそうです。仕事が増えても給与が増えるわけではありませんし、心身の負担だけは増えていくので。

こういう気持ちになりどんどん辞めていきます。
そしてそうやって離職者が増えるとどうなるか?残ってるスタッフへの負担が倍以上に増えます。
もうまさに負のループですね…。
そんな負のループの中では利用者様に対する介護のクオリティも著しく低下するのは目に見えています。
3.人手が足りないと退職を止めようとしてくる。


これは介護以外でもよくある話ですし、僕も周りの介護士の友人もみんな口をそろえて言っていました。
確かに、介護業界は人手不足でネコの手も借りたいという状態なので、こうなってしまう気持ちもわからなくはないです。
でも、辞めるのを止める運営側はなぜその人が辞めるのかを考えてみて欲しいのです。
これは実際に僕の介護士の友達が言っていた、辞めると運営側にお話した時のやりとりです。







余談ですが、結局僕の友達はこの時、強引に押し切って辞めたとの事でしたw
施設側の事情はもちろんあるとは思いますが、介護スタッフも一個人なので、自分の優先度が高い願望が叶わなければそこに居続ける意味がないと考えるんです。
ここまでの話をきいていたら、今話題のブラック企業のパターンの典型ではないでしょうか?w
結果、誰も得をしない。
結局、お客様第一主義になる事によって、職場がブラック化し、誰も得しない結果を招きます。
本来であれば、三方良しの運営がされるべきですが、経営者も介護スタッフも利用者さんもみんなが笑顔になるような運営をされてない施設が多いのが現状です。
- 経営者は常に人員確保の問題に悩まされる。
- ブラック化すると介護士の介護が雑になるので利用者様へのよりよい介護が提供できなくて利用者様が苦しむ。
- 介護士は心身が疲弊し、職場が嫌になり、辞めてしまう、もしくは別のもっと魅力的な場所に転職してしまう。
こんな悲惨な現状を招く恐れがあるのに、お客様第一なんて掲げている場合ではありません。
まとめ
という事で、今回の記事をもう一度まとめると、

と疑問になる方への僕からの結論は、

というお話でした。
読んでいただきありがとうございました。
心に笑顔と栄養がいきわたりますように。
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