【死亡者6名】鹿児島の介護施設で起きた事件について介護職員目線で解説します。

鹿児島の介護施設「風の舞」で8人の介護職員が一気に辞め、たった1ヶ月弱で6名もの高齢者が死亡した事件がありましたね。

鹿児島県鹿屋(かのや)市の住宅型有料老人ホーム「風の舞」で、今月中旬までの約1カ月間に高齢の女性入居者6人が相次ぎ死亡していたことが21日、県などへの取材でわかった。ホーム側は医療面の対応は適切だった、と説明したが、介護職員が全員退職し、夜間は施設長1人で対応していた。県が調査を進めている。

引用元:朝日新聞DEGITAL

事件の動画はこちら↓

なぜこのような事件が起きてしまったのか?

結論から言うと、人手が足りなくなって、弱り切ったお年寄りへのケアが行き届いていないからです。

介護のお仕事に携わった僕が運営側の施設長や医師が口にしていない闇の部分まで暴きます。

このニュースを見ただけで、どういう経緯でこういう事件が起きてしまったのかすぐに理解できましたからね。

まぁ…そりゃこういう結果になるわって…。なるべくしてなった結果です…

目次

職員が待遇に不満を持ったら辞めるのは当然。

まず8人の介護職員が一気に辞めた理由は下記の2点とされています。

  1. 夜勤手当が1万円から7千円への減給。
  2. 人間関係。

夜勤手当が1万円から7千円への減給について。

まず夜勤手当の金額に関して言わせてもらうと、他の地域では知りませんが、僕の地元の福岡県では7千円って普通ですよ。

だいたい、他の介護やってる友達の話きいていても、7千円とかってききますし。

ティー
僕の勤務先なんて夜勤手当4千円だよ…

一般的な金額のベースを置いておいて、きっと1万円っていう金額のベースがこの施設の職員の中では当たり前の感覚になっていたんでしょうね。

なぜ1万円なんて破格な夜勤手当にしていたのか僕にはよくわかりませんが…。

ここの介護施設は話を聞く限りでは、介護度の高い高齢者ばかりのようで、介護度が高い高齢者の介護はかなりエネルギーと労力を費やします。

そんな中で、夜勤手当減給の通達をされると、きつくて割に合わないとなってしまったんでしょう。

そもそも社会的にきつくて割に合わないと思われている職業なので。

それにしても何度も言うけど、九州で夜勤手当1万円は高額すぎ…。

人間関係。

これはどの職種でもつきまとう問題ですよね。

結局人間関係は悪いとみんな仕事辞めます。

逆に言えば、僕が他の介護やってる人たちとかを見ていると、給料が低賃金でも介護やっている人たちの職場は人間関係がいいです。

人間関係が悪い、夜勤手当も引き下げ、介護度が高い利用者さんのお世話がハード…

こんな3点セットが続くと、そりゃ辞めたくもなりますよ…。

うちはどこにも行けない人をとっている?だから死亡者が出て事件になるんだよ。

施設の担当医師によると、

「うちはどこにも行けない人をとっている。」

との事。

僕に言わせれば、だからちょっとした事で死亡者が出るんです…。

どういう事か説明しましょう。

まず、どこにも行けない人というのはかなり認知症の症状が重い、あるいは、身体的に末期だったり、病状が重い人を指します。

そうなると、介護者への負担はかなり増えるわけです。そういうどこにも行けない人が1人増えるだけでも負担は倍増します。

そして、負担が倍増すると、介護者への精神的、肉体的ストレスや疲労がピークにくるわです。

介護者
あぁ…きつい…。割にあわない…。

そんな事を思っている矢先に、夜勤手当の減額が伝えられるとどうなるでしょうか?

介護者

は?給料も少なくなる上に、きつい思いして重度の利用者までみなきゃいけない意味がわからない!!

もういい!!割に合わない!!辞めてやるっ!!

となってしまうんです。

施設側の経営者がなぜ、重度の高齢者ばかり入れていたのかは僕はわかりません。

経営(お金)の為なのかもしれないし、貢献したいという強い人情で入れたのかもしれません。

しかし、どちらにせよ、職員の人数やバランスを考えずに、重度の高齢者ばかり考えずに入れてしまった結果、スタッフ達にストレスを抱えさせてしまった結果となりました。

そんな状態で夜勤手当減給、人間関係の問題。もはやボイコットされる理由は明確です。

医療面で影響がなかったというのは単なる言い訳。

介護 鹿児島 事件

施設側は医療面で影響がなかったと強く主張していますが、これは僕からすると言い訳ですね。

なぜなら、医療面で何も影響がないのであれば、あんなに短期間に6人も死亡者出ないです。

実際に僕が働いたことがある施設も、癌などで余命宣告された利用者さんもいましたが、皆さん余命よりも普通に長生きしてました。何人もそういう方々を見た事があります。

これが可能なのも、きちんとした介護と医療の連携がとれてるからです。

あの短期間で6名も死亡者を出していて、医療面で問題がないと堂々と言えるというのは、ある意味、低品質は医療を提供していると堂々と言っているものだと思います。

どこにも行けないような重度の方々だとわかった上でを入所させてるので、人の命を預かっている立場としては、あの発言は言い訳であり、無責任な発言だと思います。

死なせるくらいなら、お金をいただいて入所させるなよとも思いますし。

また、あれは医療的な問題ではなくて、介護職員が一気に辞めて、介護がゆき届かなかったからだというのであれば、そもそも職員が続くような環境整備ができていない責任があるのでは?

正し、人手不足や低賃金はどこの施設にも言える事なので、施設側にも同情できる部分はある。

ただ、同じ介護職員目線から思うのは、十分な賃金の支払いが難しくて、人手も足りないというのは別に「風の舞」に限った話ではありません。

多くの施設が同じような問題が多いので、そういう意味では「風の舞」も介護業界の問題の渦中にあったと言えます。

なぜ夜勤手当を1万円から7千円に引き下げる必要があったのか?

経営的な問題があったのかもしれませんし、わかりません。

人間関係の苦労というのは介護に限らず、どの職種でも起こってることことです。

社会的問題、介護業界の問題の渦に風の舞もまた巻き込まれてしまいました。

鹿児島だけじゃない。これからもこういう事件は他の介護施設でも必ず起きる。

今回は鹿児島の風の舞のこの事件がたまたま大きく取り上げられましたが、僕は他の都道府県でも同じようなことはこれからも起こると思っています。

いや、もうすでに起こっているでしょうね。

今回の事件は通報がきっかけになって公になりました。

しかし、もしこの通報がなかったら?老衰とか寿命とか診断して真実が闇に葬られていた可能性だってあるわけです。

こんな事、どこの施設だって起こりえるじゃないですか。

僕としては、業界の在り方が変わり、こういう事件が減っていくことを願っています。

まとめ

というわけで今回の記事をもう一度まとめると、

人手不足でケアが行き届かなかった結果、このような事件が起こってしまいました。

というお話でした。

読んでいただきありがとうございました。

心に笑顔と栄養がいきわたりますように。

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1987年生まれ。病み系、出会い系が得意なクリエイティブライター&社会不適合者。
フリーター歴10年、サラリーマン1年半といったところ。
幼少期に母親から虐待を受けたり、アメリカ留学したり、出会い系の会社に勤めたりと色々とまとまりのない経験多数。
パニック障害や自律神経失調症といった心の病と現在も共存中。
スイーツと映画をこよなく愛している。
もう自分自身を殺して生きる事に疲れ果て、ありのままの自分を表現する為に、当ブログ「Tough Life(タフライフ)」を運営中。
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